面接時に必ず必要となる「履歴書」。
美容学生時代は黙っていても先生が履歴書を添削してくれるので、これまできっと苦労することはなかったと思います。
しかし今はどうでしょう、特に文章を書くことに慣れていない人は「志望動機、自己PR」が上手く書けなくて筆が止まっているのではないでしょうか。
きっとこのページをご覧になっているあなたも「どうやって書けばいいのかな?」と悩んでいることでしょう。
でも安心して下さい。ここでは「サロン側が求めていること」を踏まえた上で「あなたが伝えるべきこと」をキチンと履歴書で書けるように伝授いたします!
履歴書は「自分を売り込むためのパンフレット」です
履歴書とは平たく言うと「自分はどのような人物なのか」ということをまとめた説明書のことです。
つまり「自分を売り込むためのパンフレット」です。
そのため、これまでの学歴や職歴に加えて「私はこんな人間です!」「ぜひここで働かせて下さい!」「ここで頑張りたいです!」という想いを履歴書の「志望動機、自己PR」の項目で伝えなければなりません。
しかし・・・
① 書きたいと思っても自身がないため上手く書けない。
②「志望動機」と「自己PR」が同じような内容になってしまう。
③ そもそも何を書けばよいか分からず空欄が目立っている。
などこのようなパターンに陥りがちです。
とは言え面接官は「志望動機、自己PR」をとても重要視しています。なぜなら初めて出会ったあなたの事を、とても短い時間で判断しなければならないからです。
そのため次のポイントを参考にしながら「私はこんな人物です」「ぜひここで働かせて下さい!」という想いを確実に文章で伝えましょう。
しかし上記に記載したように「志望動機」と「自己PR」はつい同じような内容になってしまします。
そのためここでは「志望動機」についてのみ説明しますので、キチンと意味を理解したうえで文章を書きましょう。
サロン側は「長く勤めてくれる人」を求めている
面接官が最も知りたいことは、「あなたはウチで長く勤めてくれる人か」ということです。
当たり前のことなのですが、それが最もサロン側が求めていることなのです。
その理由は美容業界そのものが離職や転職がとても多いからです。
サロン側は「いつも遅刻ばかりしてくる人」「頑張りますと言って次の日から無断で来なくなる人」「私は凄いですなんて言いながら実は大したことが無い人」などこれまでたくさん見てきているのです。
そのため能力があるないよりも、まずは「毎日キチンと出勤して働いてくれること」が最低条件なのです。
ちなみにスタッフの誰かが離職や退職によって抜けると、労働力が下がるため当然利益も下がります。
そしてさらにその埋め合わせのため人を募集すると、求人広告費が発生してしまいます。
つまりのところスタッフの離職や退職は、「収入の減少+支出の増加」が同時に起きるため、サロンにとっては死活問題なのです。
だからこそ面接官はあなたが「長く勤めてくれる人か」を履歴書や面接によって知りたいのです。
あなたに「働きたい理由」があるように、サロン側にも「人が欲しい理由」があります。もちろんサロンによってそれぞれですが、それが何なのかを知ることも大切です。
志望動機で書く内容・・・あなたが伝えるべきこと
志望動機を書く前に書く内容を整理しましょう
ここは「自分がそのサロンで働きたい理由」を伝える場面です。
しかし文章はいきなり書けと言われてもすぐには書けませんので、まずは箇条書きで内容を整理しましょう。文章構成は後で考えれば大丈夫です。
書く内容としては①志、②目標、③志望理由、の三つの項目に分けましょう。
①志・・・「なぜ美容師になろうと思ったのか」
まず始めに「なぜ美容師になろうと思ったのか」などこの仕事に興味を持ったきっかけや、エピソードを思い出しましょう。
自分が美容師になりたいと思った原点には、きっとあなただけのストーリーが詰まっているはずです。
「初心忘れるべからず」という言葉があるように、その原点こそあなたが美容師を続けるための原動力です。
先述した通り、美容師は離職、転職がとても多いです。
だからこそサロン側も、あなたの行動の源泉は何なのかに興味があります。
そのためあなたがなぜ美容師になろうと思ったのか、その根底にある強い志や覚悟を言葉にして伝えましょう。
人それぞれの理由でOKですが、やはりサロン側は「とにかく美容が好き」で頑張ってくれる人を求めています。
②目標・・・「どんな美容師になりたいのか」
次は「どんな美容師になりたいのか」を明確にしましょう。
美容師になりたいという想いは同じでも、「これからどうなりたいのか」「何を成し遂げたいのか」「何を手に入れたいのか」など目標は一人ひとり異なります。
これは明確な目標であればあるほど面接官にはアピール出来ます。
なぜなら面接官にとって「あなたがどんなことでサロンに貢献してくれそうか」とイメージしやすいからです。
もちろん目標は「これを言うと恥ずかしいな」と思う内容でも大丈夫です。
そもそも「自分で恥ずかしいと思っている目標」はその時点でほぼ達成出来ません。なぜなら自分で「これは恥ずかしいことだ」と思ってしまい無意識に行動にブレーキをかけるからです。
だからこそ、これからの目標は勇気を出して必ず言葉にして伝えましょう。
必ず言葉にした目標は叶っていきます。
目標の大小よりも、「具体的な目標」がベストです。そしてさらに「学ぶ姿勢」を見せることも大切です。
③志望理由・・・「そのサロンを選んだ理由」
最後は「そのサロンを選んだ理由」を整理しましょう。
サロン側は「その仕事がしたい人」ではなく「ウチのサロンで働きたい人」が欲しいのです。
「隣のサロンではなく、なぜそのサロンなのか」を丁寧に説明出来なければ「この人は働ければどこでも良いのか」と思われ印象が悪いです。
そのためここで「自分の目標を叶えるための環境がそのサロンに揃っている」などが志望理由に含まれていると説得力が増します。
なぜならサロン側としては、「入社後のミスマッチ」をとにかく避けたいのです。
当然「入社してみたら思っていたのと違った」は多少あると思いますが、「良く知らないのに入社してしまいました」ではお互い何の得にもなりません。
だからこそキチンとサロンを研究して「そのサロンならでは」を言葉にして伝えましょう。
ここはサロン研究が必要です。そのため最低限事前に見学し情報を収集しましょう。
志望動機の書き方・・・「結論先行型」で書きましょう
志望動機は色々な書き方がありますが、ここは「結論先行型」で書きましょう。
なぜなら読み手に集中力がある始めの段階で結論を伝えた方が、着地点も印象に残るため後の文章が読みやすくなるからです。
例えばよくありがちな「私は子供の頃からヘアセットが好きでそれで美容師に憧れて~」みたいな物語調の構成は、読み手に余計な先入観を与えるだけでなく、着地点が分からないため途中で疲れてしまいます。
しかし「貴サロンが提案するヘアセットのデザインに魅力を感じたのでこの度志望させて頂きました。実は私は高校時代からヘアセットが好きで~」と書くと読み手に始めから強く印象を与えることができ、着地点も分かるため後の文章も読みやすくなります。
そのため結論先行型の文章は以下参考欄のように構成しましょう。ちなみにこれは「PREP法」と呼ばれる、プレゼンテーション等における文章構成法の一つです。
この文章構成法を参考して志望動機を組み立てると、以下のような文章構成になります。
(一例)
Point | 〔志望理由〕
「この度貴サロンの提案するヘアセットのデザイン力にとても魅力を感じ、是非とも勉強させて頂きたいと思い志望させて頂きました。」 |
---|---|
Reason |
〔志〕 「実は私は高校時代よりヘアセットが好きで、自分でアレンジするだけでなく友人のヘアセットを毎日やってあげていました。その経験から人に喜んでもらう楽しさや、ヘアデザインの面白さを知り美容師になりました。 |
Example |
〔目標〕 「将来的には5年後にヘアセットサロンで独立することを目指しています。そのため今は接客技術はもちろんのこと、ヘアセットの基礎技術を積極的に学び、ヘアデザインの幅をさらに広げたいと思っております。」 |
Point | 〔志望理由〕
「そして学ぶだけではなく、自ら宣伝、集客も行い貴サロンに貢献させて頂きたく志望させて頂きました。」 |
いかがでしょうか。なぜ志望したのか、何がしたいのか、これからどうなりたいのか、など上手くまとまり読みやすいと思います。
もちろんPREP法とはただの一つの手法であり、文章構成に決まりはありません。あなただけのオリジナリティ溢れるアピール方法があれば自信を持ってドンドン書きましょう!
志望動機例文集
それでは、参考にしてほしい志望動機の一例をご紹介いたします!
例文1.
貴サロンを志望させて頂いた理由は、技術力の高さにとても惹かれたからです。
私は人の役に立つ仕事がしたいと思い、「手に職を付ける」という意味で美容師になりました。美容技術の中では特にヘアカット技術が好きで、美容学生時代は色々なコンテストに積極的に参加してきました。
しかし恥ずかしながらいつも良い結果を出すことは出来ませんでしたが、そのお陰でヘアカットの奥深さに気付き、さらに好きになりました。だからこそ何としてもヘアカット技術を極めたいという想いがあります。
そして現在23歳ですが、25歳までにスタイリストデビューし、たくさんのお客様に喜んでもらうことがこれからの目標です。
そのため、是非ともカット技術を学ばせて頂き、貴サロンに貢献させて頂きたく志望させて頂きました。
途中入社であってもこれまでの行動に一貫性があり、とても良い印象を受けます。悔しさをプラスのエネルギーに変えることが出来る人こそ、サロン側が最も欲しい人材ですね。
例文2.
この度、トータル美容を提供する貴サロンの営業スタイルにとても惹かれ志望させて頂きました。
私は高校生のころからヘアー&メイクに興味があり、いつもユーチューブ動画で研究しては友人に頼み込み練習台になってもらって施術していました。そして友人がいつも喜んでくれるのでつい楽しくなり、続けているうちに「ならばいっそのこと」と思い美容師になりました。
私は自分が女性であることを活かし、これまでにメイクアップ、エステティックも積極的に勉強して参りました。将来的には30歳を目標に、トータル美容を提供するプライベートサロンを持ちたいと考えております。
前職ではスタイリストとして勤務しておりましたので一通りの技術は出来ますが、ここからさらに学びを深めたいと考えております。
そしてこれまでの技術、知識をさらにブラッシュアップし、まずは貴サロンに貢献させて頂きたく志望させて頂きました。
美容の仕事が好きであることが伝わります。やはり「この仕事が好き」という部分はかなりポイントが高いです。そして一通りのことが出来ることをアピールしつつ、学ぶ姿勢もさりげなく入れる所に好感が持てますね。
例文3.
この度、貴サロンの福利厚生を含めた労働環境の良さに惹かれ、志望させて頂きました。
私は人を笑顔にすることが出来る美容の仕事に大変興味を持ち、高校生の時に一生の仕事にしたいと思い美容師の道を選びました。
美容専門学校卒業後は都内のサロンで8年間勤務いたしましたが、結婚、出産を機に退職し現在に至ります。退職後は少し期間が開きましたが、子育てが少し落ち着いたため、再度大好きな美容師の仕事に復帰する決意を致しました。
美容技術は一通り出来ますが、自身の体験を活かし、特に小さいお子様を持つ同世代のお客様に美容サービスを提供したいと考えております。
そして貴サロンの労働環境を活かし、地域社会に貢献させて頂きたく志望させて頂きました。
働くママさんにとって労働環境は特に大切だと思いますが、ご自身が優先したいことを率直に伝えることはとても大切ですね。サロン側の方向性と、働く側のの求めていることが一致していれば、ミスマッチによる離職は防げるためサロンの評価も高くなります。
1.サロン側は「長く勤めてくれる人」を求めている
2.志望動機は①志、②目標、③志望理由を整理してから書く
3.志望動機はPREP法を参考に文章を構成する
この記事を読んで少しでも前に進んでくれたら幸いです!私は美容師の仕事が好きです。だからこそ頑張るあなたを応援しています!そして良いご縁がありますよう心よりお祈りしております!